今回は、立ちくらみや失神の症状について
と正しい対策法についてご案内したいと
思います。
症状としては、立ちくらみ、寝起きが悪い、
失神など、身近な症状から、放っておくと
怖い症状となります。
症状や対策について、今回、正しく理解して
頂き、十分対処できる症状ですので、しっか
りと予防して対処するようにしてほしいと
思います。
脳貧血とは!
脳貧血とは「起立性低血圧」の一つの症状
として捉えられています。
「貧血」と言う言葉が含まれていますので、
一般的な貧血と意味合いを混同しやすいと
思いますが、全く別のモノであります。
一般的な貧血とは、血液中の赤血球が少なく
なった状態、薄まっているような状態なのに
対して、脳貧血とは脳に運ばれるはずの血液
が一時的に欠乏した状態を脳貧血と呼んでい
ます。
症状としては、めまいや立ちくらみなどがあり
ますが、貧血と思って病院で診てもらっても
貧血ではないと診断されるような方は、この
脳貧血にあたる可能性があると思った方が良い
と思います。
脳貧血は起立性低血圧、つまり自律神経障害
として表れている症状と言えるのです。
起立性低血圧と言う名前の通り、寝た状態や
座った状態から立ち上がった時に起こる急激な
血圧の低下による症状ですが、慢性的に低血圧
の方の中でも自律神経の働きが良くないケース
もあります。
脳貧血の症状には?
1.立ちくらみ!
脳貧血の代表的な症状の一つです。
寝ている状態や座った状態から、急に立ち上がっ
た時に、脳に供給する血液が追いつかず、頭が
くらっとしたり目の前が真っ白になったりする
症状で、この状態が強く現れると気を失うケー
スもあります。
一般的に多いのが、20~30代の女性に見られる
ケースが多く、年齢とともに増加する傾向もあり、
高齢者では、実に20%程度の割合で認められて
いる症状であります。
脳貧血の事を、なぜ「起立性低血圧」と言う言い
方をするのは、こう言った起立姿勢に移行する際に、
強い立ちくらみを感じる場合(起立時に血圧が20
以上下降してしまう)の事を指す病名の由来であ
ります。
2.寝起きが悪い!
脳貧血と言う症状の中で、周りの方に最も理解して
もらう事が難しい症状としては、寝起きの悪さが
挙げられます。
「低血圧だから朝が弱い」と言うのは、実際に関連
性が薄いですが、低血圧の傾向が強い方は、この
症状に悩んでいる方が多く、脳に血液が巡りにくい
状態で朝を迎える事が苦痛の状態にもなります。
一般的に言われている「五月病」もこう言った症状
が関係しているともいわれています。
起床位に体を起こすと、重力に任せて体の血液が下へ
流れ、脳に血液が回らない状態によって起こるとされ
ますが、通常血液は脳へと流れてから下へと流れてい
きますので、血圧の低い状態ですと、うまく脳へ血液
が循環してくれない状態になります。
3.失神!
失神は、「一過性意識消失発作」と呼ぶ ”気絶” などの
症状になります。
血圧の低下により、脳への血液が行き届かず意識を消失
してしまう状態の事を言います。
通常ですと、数秒~数分以内に意識が回復して後遺症も
残りません。
ただ程度になると、意識を失った後に痙攣などの症状を
起こす方もいらっしゃいますので、身近で心身を起こし
た方がいらっしゃれば、衣服によっての血液の締め付け
を回避できるように緩めてあげたり、身体を横にして足
を少し高くしてあげる事が必要と思います。
4.耳鳴り!
脳貧血の症状の中で、起立時の耳鳴りをすると言う症状
もあります。
頻繁に起こるようであれば、脳貧血の疑いがあると思う
必要があります。
耳鳴り自体は、医学的に確実な根拠が得られているとは
言い切れませんが、脳貧血が原因で起こりうる可能性が
あると言う事と、立ちくらみなどの症状を起こしやすい
方が、経験する事が多い症状と言えます。
脳貧血の原因とは?
1.低血圧
脳貧血は、医学的な「貧血」と定義が違い、低血圧に
よる症状の一つと考えられています。
「低血圧」とは、最高血圧が100mmHgに満たない
状態を言いますが、低血圧自体は、「高血圧」と違い
医療学会などで基準が示されるような、いわゆる
”病気” として捉えられる事が難しいと言う事で、あま
り重要視されてきませんでした。
2.自律神経の機能低下
脳貧血は、自律神経の働きの一つとして血圧の調節と
言う働きが挙げられますが、自律神経に障害が生じる
と、血管がうまく収縮できずに、脳に十分な血液を送
り出すことが難しくなります。
脳に送られるはずの血液の量が制限されると、立ちく
らみやめまいと言った症状が現れる ”脳貧血” の状態
になります。
自律神経の働きが悪いために、血圧の調整に負担がか
かり急な血圧低下の症状が出ていると言った流れで
脳貧血の症状を起こしている可能性も十分にあると
思って下さい。
3.便秘や腹痛との関係
「迷走神経(めいそうしんけい)反射」と言う症状が
出た時には、便秘や腹痛など排便に影響が出たり、
逆に下痢の症状や、排便後に気分が悪くなると言った
症状が現れる事があります。
迷走神経とは自律神経との関係が強い脳神経の一つで、
内臓(胃腸や、心臓、血管など)に分布している神経
です。
人間の生命活動に ”直接” 関わっている神経です。
脳貧血によって起こる症状をいくつかご紹介してきま
したが、最初は立ちくらみ程度だった症状も、自律神経
(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れる事によっ
て迷走神経を刺激する作用に至るケースもあります。
迷走神経が刺激されると、副交感神経が以上に活発化し
て、グッと血圧が下がる事によって失神するまでに至る
事もあります。
恐怖であったり痛みによって、血の気がスーっと引く感
じなどは、こう言った作用の一つでもあります。
緊張からお腹の調子を崩したり、トイレの回数が増えた
りする事を経験した方も多いのではないでしょうか?
脳貧血の原因を考える上では、こう言った症状も見逃さず、
心身のバランスがとれるケアが大事になると考えましょう。
脳貧血の対処法?
1.塩分やたんぱく質が大事
低血圧症は、高血圧症と違って病気としての扱いが難しい
点が一つの課題になりますが、医師の方の中には、「高血
圧の方が控えている食事をすると良い」と言われています。
もちろん塩分の摂りすぎは体にいいとは言えませんが、
低血圧の方は、十分な塩分の摂取が出来ているか?食生活
から見直してみても良いかと思います。
塩分の作用として、血管を収縮させて血圧を上げる作用も
ありますし、食欲増進を促す働きもあります。
また、十分なたんぱく質を摂取する事によって、血液を送
り出すための筋肉や血管など、しっかりとした身体作りが
出来るようにする必要もあるので、積極的に摂るように
しましょう。
2.アルコールを控える
アルコールの作用として、血管を広げる働きがありますので、
飲酒による低血圧も十分に考えられます。
特に普段から血圧が低いと感じている方などは、アルコール
摂取の量や頻度も含め、十分に気をつけるようにしましょう。
まとめ
日常で健康に気を使っていても原因がわからない症状で悩ん
だり、ストレスから症状が悪化する事もケースとして十分
に考えられます。
家事や仕事、人間関係などでたくさんの負担を感じている
方は、さらにリスクが大きくなります。
脳貧血をはじめとする低血圧の症状には、原因がはっきり
としていない症状もありますので、日常のあらゆる角度から
健康を考えなければいけないと思います。
脳貧血は意外と身近で、生活のリズムを崩しやすい環境に
晒されている現代人にとっては身近な症状でもあり、様々な
病気のもとになる可能性をもっています。
こう言った症状の一つひとつが、生活習慣病の予防になり、
健康を意識するきっかけになれば幸いです。