ウイルス性肝炎の多くは輸血や血液製剤が原因?

肝炎ウイルス

今回は、ウイルス性肝炎の多くは、輸血や血液
製剤が原因で感染することについてご案内した
いと思います。

肝炎ウイルスの感染によって引き
起こされる肝機能障害とは?

ウイルス性肝炎とは、肝臓が肝炎ウイルスに感染し、
肝機能障害を引き起こす病気であり、、日本人には
最も多い肝臓病であります。
肝炎を引き起こす原因のウイルスには、A型、B型、
C型、D型、E型などがあり、ウイルスによって、
それぞれ「A型肝炎」、「B型肝炎」…と分類されます。
なかでも、日本人に圧倒的に多くみられるのが「B型
肝炎」と「C型肝炎」であります。

B型肝炎が発症した場合は完治する?

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することによって
引き起こす肝臓病です。
成人になって感染した場合は、一部の人が急性肝炎を
発症しますが、基本的には慢性化することなく完治
します。
母子感染などで感染した場合は、肝臓にB型肝炎ウイ
ルスがすみつき、感染が持続することによってB型
肝炎が慢性化します。
やがて病気が進行して、肝硬変、肝がんへ進展する
場合があるとされています。

C型肝炎から肝硬変・肝がんへと
進行しやすい?

C型肝炎は、C型肝炎ウイルスに感染することによって
引き起こされる肝臓病です。
C型肝炎ウイルスに感染すると、一部の人は急性肝炎
を発症しますが、多くの人はとくに自覚症状があり
ません。
これは、自然に沈静化してしまいます。
このうち約3割の人は自然に完治します。
残りの7割の人の肝臓にはC型肝炎ウイルスがすみつき、
症状が出ないまま慢性化していきます。
そのまま放置していると肝硬変や肝がんへと進む人も
少なくありません。
C型肝炎はB型肝炎よりも慢性化しやすく、肝硬変や
肝がんへと進みやすいとされています。

B型肝炎ウイルスは、どんなときに
感染するの?

B型肝炎ウイルスは、B型肝炎ウイルス保有者から、
血液や体液を介して感染してしまいます。
B型肝炎ウイルスに感染している人の多くは、母子
感染防止策がとられる以前の母子感染によるもの
ですが、母子感染防止策がとられるようになって
からは、新たな母子感染はほとんど起きていません。
また、以前にあった輸血等の医療行為や医療現場で
の注射器の使い回しなどによる感染も医療環境の
整備によりほとんど起きていません。
近年、増えているのが性交渉による感染であります。
B型肝炎ウイルスは感染力が強く、体液でも感染する
ことがあります。

C型肝炎ウイルスは、どんなとき
に感染するの?

C型肝炎ウイルスは、C型肝炎ウイルス保有者から
血液や血液の混じった体液を介して感染します。
たとえば、他人と注射器を共用して使用した場合や
適切な消毒をしていない器具を使って、ピアスの穴
あけ、入れ墨などを行った場合などは感染する危険
性が高いと言われています。
ただ、C型肝炎ウイルスは、血液が直接触れるケース
以外で感染する可能性は極めて低く、B型肝炎に多く
みられる母子感染や性交渉による感染はごく少ない
とされています。
また、C型肝炎ウイルスに感染している人の多くが
過去の輸血や注射によるものとされていて、かつては
血液製剤による感染もありましたが、現在では輸血に
使われる血液や血液製剤は厳しくチェックされており、
医療環境も整備されているので、医療現場での新たな
感染はほとんど起きていません。

ウイルス性肝炎を予防とは?

日常生活で感染することはほとんどない。
肝炎ウイルスの感染は、常識的な日常生活をこころがけて
いれば、ほとんど感染することはないと考えられています。
B型・C型肝炎を予防するために下記の日常生活で気をつけ
ることをおススメいたします。

①歯ブラシやカミソリなど、他人の血液が付着している
 可能性のあるものを共有しない。

②他人の血液や体液に触れないようにする。

③他人の血液を触るときは手袋をつける。

④ピアスや入れ墨をするときは、適切に消毒された器具
 であることを必ず確かめる。

⑤不特定多数の相手との性交渉は避ける。

⑥コンドームを正しく使用する

以上のことに気を付けることをおススメします。

こんな検査で把握できます!

肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査で
すぐに知ることができます。
保健所や医療機関で健診することをおススメします。
B型肝炎ウイルスの感染を調べる「HBs抗原」の検査、
C型肝炎ウイルスの感染を調べる「HCV抗体」の検査が
あり、過去に検査を受けたことがない35歳以上の方に
対して実施しているようです。
この検査は、一生に一度検査するだけでよいです。

まとめ

ウイルス性肝炎の6割は、原因不明の感染。
自覚症状のないまま、肝硬変・肝がんにもなりかね
ません。
肝硬変の7割、肝がんの9割は、肝炎ウィルスが原因だ
といわれています。
「ウイルス性肝炎」は、輸血や一部の血液製剤で感染
すると言われていました。
でも、6割の人はなんと原因不明(C型肝炎の場合)。
感染の原因のひとつとされるのは、「注射器の使い
回し」でありました。

健康診断の肝機能検査が正常値でも、肝炎ウイルスに
感染しているかどうかまではわかりません。
さらに、ウイルスに感染しても、自覚症状なく肝硬変
や肝がんなど、病気が進行しているケースもあります。
一度、保健所や医療機関などで肝炎ウイルス検査を受け
ることをおススメします。
現在の医療現場では、肝炎ウイルスに感染することは
まずないです。
この検査は、一生に一度健診するだけでよいです。