今回は、コレステロール値を下げるには豚肉の脂が
よいということについてご案内致します。
豚肉の脂は体によいといわれているが、たくさん食べれば
コレステロール値は上がる。
豚肉の脂には、ほかの動物性脂肪に比べると多くの「オレ
イン酸」が含まれています。
オレイン酸はオリーブ油の主成分と同じ不飽和脂肪酸です
から、豚肉の脂にもコレステロール値を下げる効果があると
思う人も多いでしょう。
厚生労働省のすすめる理想的なバランスで豚肉の脂をとったら、
コレステロール値が下がったというデータが出ました。
ただし、それは、理想的なバランスの食事で、ほかの脂を豚肉
の脂に置き換えたからであります。
ほかの脂肪をやめずにとった場合でも、豚肉の脂がコレステ
ロール値を下げてくれるという保証はありません。
私も一度試してみました。
豚肉の脂を過剰に摂取したらコレステロール値は上昇してしまいました。
テレビで「豚肉の脂はいい」というということで「たくさん食べてし
まった」テレビにはそんな風潮になりがちです。
オリーブオイルとは?
オリーブオイルにはコレステロール値を安定させ、増加させない効果がある
と言われていいます。
その効果に大きな影響を及ぼしているのがオレイン酸という成分です。
オレイン酸は不飽和脂肪酸の一種であり、血管内に悪玉(LDL)コレステ
ロールがこびりつくのを防ぎます。
血液の流れを良くし、動脈硬化になりにくくしてくれます。
オリーブオイルはこのオレイン酸を70%以上含んでいます。
オリーブオイルは大きく分けると次の2種類あります。
• エキストラバージンオイル
• ピュアオリーブオイル
エキストラバージンオイルはオリーブの実から固形物を取り除きオイル
だけを取り出したものであります。
香りが良いのでサラダのドレッシングやマリネなどに使われます。
ピュアオリーブオイルは生成したオイルに香り付けのためにエクストラ
バージンオイルを混ぜたものです。
オリーブオイルに含まれるLDL(悪玉)コレステロールを下げる成分
オレイン酸:悪玉コレステロールを減少させる
オレイン酸には、私達の体に必要不可欠な善玉(HDL)コレステロールを
減少させることなく、悪玉(LDL)コレステロールだけを下げる作用がある
と言われています。
善玉コレステロールの数を減らさないことにより、コレステロール値の
大きな変化を及ぼします。
また、悪玉コレステロールの増加により起こりやすいと言われる動脈硬化
や心筋梗塞を防ぎ、生活習慣病やガンになるリスクも減少させると言われ
ています。
オレイン酸はオリーブオイルの多く含まれる成分ですが、アーモンドやマカ
デミアナッツなどにも含まれています。
n-9系に分類される一価不飽和脂肪酸
脂肪酸は大きく分けてふたつ。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。
オレイン酸はその不飽和脂肪酸に該当される成分で、不飽和脂肪酸は炭素の
二重結合を持つ成分ですが、この結合が1か所だけなら一価不飽和脂肪酸、
それ以上なら多価不飽和脂肪酸と呼ばれています。
一価不飽和脂肪酸は酸化しにくいことが大きな特徴のため、悪玉コレステ
ロールの原因となる過酸化脂質を発生させることなくさびない体作りに
役立ちます。
オレイン酸とリノール酸の違い
リノール酸はべにばな油、ごま油、大豆油などに含まれる成分です。
LDLコレステロールを下げる働きはあるのですが同時にHDLコレステロール
も下げてしまうためコレステロール対策としては取り過ぎに気をつけたい
オイルです。
また、オレイン酸と比べると酸化しやすい性質があり動脈硬化の原因となる
過酸化脂質を多く作ってしまう性質があります。
そのためコレステロール対策にはオレイン酸の方が有効とされています。
ただし、バランスが大切なのでリノール酸も適度に摂るようにしましょう。
αリノレン酸とγリノレン酸にも注目
αリノレン酸はしそ油やエゴマ油に含まれる成分。HDLコレステロール値は
下げずに中性脂肪値を下げる働きがあります。
γリノレン酸は月見草に含まれる成分。
中性脂肪値を下げてHDLコレステロール値を上げる効果があります。
マーガリン(トランス脂肪酸)には要注意
マーガリンに多く含まれるトランス脂肪酸はLDLコレステロール値を上げ、
HDLコレステロール値を下げてしまうオイルです。
そのためコレステロール値が高い方はなるべく摂取しないように注意しま
しょう。
パンを食べるときにもマーガリンではなくオリーブオイルを使うように
するとコレステロール対策として有効です。
人間の体にはマーガリンの動物性オイルもオリーブオイルなどの植物性オイル
も両方必要なのでバランス良く摂取することが大切です。
しかし、現代の食生活は動物性オイルを取り過ぎる傾向があるので食生活を
見直しマーガリンやバター、肉の脂身などを取り過ぎているようでしたら摂取
量を抑えながら植物性オイルを多めに摂るように心がけて下さい。
オリーブオイルの摂取量の目安
オリーブオイルを1日大さじ2杯を目安に、コレステロールを下げるためには
オリーブオイルをどのようにとったらよいのか?
オレイン酸は酸化しにくく長期の保存もでき熱にも強い特性を持っているため、
どのような調理方法でもその栄養素を十分に取り入れることが出来ます。
オレイン酸が豊富なオリーブオイルをたっぷり使ったドレッシングや、普段は
避けている揚げ物などが食べたくなった時にオレイン酸の豊富な油を使う
ことで、あっさり軽い仕上がりになります。
オリーブオイルを摂るためのオススメレシピ
オリーブオイルの野菜漬け
とっても簡単で、保存のきく万能オイルを作っておきましょう。
<作り方>
熱湯消毒したフタ付密閉容器を用意。
オイル漬けしたい好みの野菜を用意。
そして、つぶしたにんにく、ローリエ、塩、コショウと一緒に、
野菜がヒタヒタになるまでエキストラバージンオリーブオイルを注ぎ
フタをします。
その後、そのまま食べても良いですが、パスタなどにも使っても美味しいです。