今回は、足のむくみ対策法について
ご案内したいと思います。
足のむくみとは?
人間の身体の約60%は、「水分」ででき
ています。
水分は、細胞の内側と外側に分かれ「細胞
間液」と呼ばれています。
「細胞間液」は、心臓から全身に送られた
血液中に含まれる血しょう成分が、細胞に
栄養を送り込んだ後、ぐるりとまわって心臓
に戻る働きを繰り返します。
しかし何らかの影響で、「細胞間液」が血液中
に戻れず取り残された状態を浮腫み(むくみ)、
学術的には浮腫(ふしゅ)といいます。
むくみ(浮腫 :ふしゅ)とは、血液中の体液が
血管外に濾出する(血液中の液体成分の一部が、
血管壁から組織間隙(かんげき)や体腔内に
にじみ出たものを漏出液という)などして、
血管外皮下組織に水分が過剰にたまった状態を
言います。
大きく分けると、全身性のむくみと局所性のむ
くみに分けられます。
全身性浮腫には心臓性、腎性、肝臓性などであり、
局所性浮腫には静脈性やリンパ性などがあります。
全身性では一般的な内科的治療の対象とはなり
せん。
局所性浮腫は、見た目は元気ですが、むくんでいる
脚や腕に一般的な考え方では対応しにくい症状が
認められます。
一般内科的には取り上げられない浮腫や局所性浮腫、
とくにリンパ浮腫を中心に取り上げられます。
リンパ浮腫は、乳癌や子宮癌の術後などに見られる事
が多い、主に一側だけの腕や足のむくみであります。
リンパ浮腫は、患者さんの間ではかなり知られてきて
おり、社会問題ともなってきているにもかかわらず、
治療がほとんど保険適応の対象外であることもあって、
現在の医療現場からは馴染みの薄い存在になっており
ます。
たとえば、乳癌や子宮癌の術後に起きるリンパ浮腫を
術前に注意されることはあまりありませんし、術後
むくんでからでも的確に診断され、治療されるという
ことも少ないようです。
やっと診断結果がついても、対応する医療機関が身近
に無く、特別に治療薬の無いため、この疾患に必要な
対策であるマッサージや弾力スリーブ・ストッキング
には保険が効きません。
そのため、むくみを訴える多くの患者さんは戸惑って
いるのが現状のようです。
多くの場合、色の変化や傷みはなく、脚または腕が太
くなりますが、放っておいても別に命にかかわることも
ないため医者自身も軽く見がちです。
そのため、相談に行っても詳しい説明が聞けず、つい
には、まるで非常に珍しい病気にかかってしまった、
と思いこんでしまう方々も多いようです。
しかし、リンパ浮腫は必ずしも珍しい病気ではなく、
また、日頃から注意さえしていれば決して恐ろしい病気
ではありません。
足のむくみの原因とは?
足がむくむ主な原因は、心臓から一番離れた場所に
足があるからです。
心臓から離れた場所にあるということはどういうこ
とかと申しますと、
◆血液の流れが悪くなりやすい
◆重力に逆らった状態なので水が溜まりやすい
だから、長時間のデスクワークや立ち仕事、ぎゅう
ぎゅうのハイヒールを履くと足が浮腫んでしまうの
です。
足のむくみの原因は、大きく分けて2種類あると申し
ました。
それは「病気」が原因の場合と、直ぐに症状が治まる
「一過性」が原因の場合です。
たいていの浮腫み(むくみ)は、「一過性」によるも
のであります。
<主な原因>
◆冷え性 ◆運動不足 ◆ホルモンバランスの乱れ ◆長時
間同じ姿勢 ◆食事の乱れ(塩分の摂りすぎ) ◆ストレス
◆リンパの流れが悪い ◆睡眠不足などが主な原因であり
ます。
<「病気」が原因>
◆心臓 ◆肝臓 ◆腎臓 ◆癌(がん) ◆妊娠中毒 ◆糖尿病
◆内臓
などが原因であります。
「リンパを流したり、食事を改善したり…頑張っている
のに浮腫み(むくみ)がとれない」という場合は、何らか
の病気が潜んでいることもあります。
これらが浮腫み(むくみ)の主な原因です。
足のむくみの原因と対策!
「一過性」の場合は、生活習慣の乱れなどが主な原因
なので、その原因が解決されれば浮腫み(むくみ)が
解消できます。
それぞれの症状によって対策も変わってきます。
その中で3つほどご紹介したいと思います。
足のむくみの原因が冷え性の場合
手先や足先が冷たくなる「冷え性」。
女性の約8割近くが、「冷え性」で悩んでいると言われ
ています。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、心臓と同様に、
収縮・弛緩(シカン)を繰り返すことでポンプの働きをし
ています。
正常な場合は、手足の血液を心臓に戻す働きをしてい
まが、手足が冷えるとこの作用が弱まります。
血液が心臓に戻らないので、足に血液が溜まり血行が
悪くなります。
これが、「冷え性」からくる足のむくみの原因です。
<対策>
血流の流れを改善することで「冷え性」が改善される
ので、ひざ掛けやカイロ、レッグウォーマーなどで足
を温めると効果的です。
カイロを貼る場合は、「三陰交(さんいんこう)」
とよばれるツボに貼るとより効果的です。
足のむくみの原因が運動不足の場合
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、足から心臓
に血液や水分を送るポンプの役目をしています。
運動不足が原因でふくらはぎの筋肉が低下すると、
ポンプの力が弱まり本来血液と一緒に巡るはずの水分
が行き場をなくし、足のむくみの原因となります。
<対策>
ふくらはぎを動かすことで、本来のポンプ機能の役目
を果たすので、ふくらはぎの筋肉を動かすように意識
しましょう。
ふくらはぎを動かす際には、腓腹筋(ひふくきん)と
ヒラメ筋の2つの筋肉を意識して動かしましょう。
◆座ったままでもできる、つま先や踵(かかと)の
上げ下げ
◆階段上り下り
◆スクワット(軽い屈伸運動)
◆散歩(歩くだけでも効果的)
◆つま先立ち
どれも簡単な運動なので、こまめにふくらはぎを動か
すように心がけましょう。
足のむくみの原因が生理の場合
「生理前になると足がむくむ~」という女性はおりま
せんか?
生理前になると、女性の体は妊娠に備えて水分や栄養
を溜め込もうとします。
そのため、いつもよりも多く水分が体内に蓄えられる
ので、どうしても浮腫み(むくみ)がちになります。
一時的なものなので、生理がきたら水分も体外に排出
されてむくみも解消されます。
ホルモンバランスが乱れる
↓
自律神経も乱れる
↓
血行やリンパの流れが悪くなる
↓
むくみが酷くなる
これがホルモンバランスの乱れが原因で起こる、生理
による足のむくみの流れです。
<対策>
生理による足のむくみの場合は、精神的にもう安定な
時期なので、ストレスを溜め込まない、リラックスする、
バランスのいい食事をとるようにしましょう。
まとめ
足のむくみの原因は分かりましたか?
大抵のむくみは、一過性によるものなので生活
習慣などの見直しでかなり改善されます。
具体的には、
◆軽い運動で血液循環を良くする
◆マッサージやツボで血流やリンパを刺激
◆食事や飲み物で余分な水分を出す!
◆便利グッズを使う
◆お風呂でリラックスする
◆サプリメントを活用する
これでも改善されない場合は、病気の疑いも
あるので、すぐにかかりつけの病院で診てもら
いことをおススメいたします。
何科に行けばいいのか分からない場合は、
「内科」に行きましょう。