簡単にわかる心筋梗塞の治療法!

今回は、お客様から心筋梗塞の治療についてもう少し詳しく
教えてほしいとのメールがありましたので前回よりもう少し
詳しくご説明させていただきます。

大切なのは最初の処理!

急性心筋梗塞になったとき、最初の処理がいかに早く行われる
ことで助かる率は上がるのです。
急性心筋梗塞で亡くなられる方の半数以上が、発症から1時間
以内に集中しています。
原因はほとんどが、心室細動と呼ばれています不整脈であります。
この不整脈が起こると心臓はポンプの作用ができず、2~3分
以内に人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生法を行われな
ければ助かりません。
心臓停止から蘇生を始めるまでの時間が1分以内なら97%蘇生
に成功しますが、5分経過すると25%の低率となってしまう
のです。

通常、119番に通報をしてから、救急隊が現場に到着するまで
に約5分位かかっています。
その場に居合わせた人が「心肺蘇生法」の心得があれば助かる
チャンスが広がるわけですが、その場にいなければ確率が低減
してしまいます。
だから、だれかが心臓発作で倒れた時、周りの人が何をするべき
かをわかっていれば、助かる確率はあがるのです。

そのためには家族や職場ぐるみで心肺蘇生法の講習を受けること
をオススメいたします。
心肺蘇生法については、病院や消防署、日赤などで定期的に講習
会が開かれていますのでぜひ受講してみてください。
応急処置は一度覚えれば、だれにでもできますのでぜひマスター
しておきたいです。

狭心症になったときの処置!

狭心症の症状には、2通りのものがあります。
動いたときに痛みを感じる場合、夜中に安眠しているときに痛みを
感じる場合があります。

たとえば、重い荷物を持ったり、坂道を登るときなど、心臓に負担が
かかったときに症状が出る場合は「労作性狭心症」といいます。
主に冠動脈の動脈硬化によって内径が狭くなることが原因です。
また、睡眠中や安静ときに突然、発作を起こすものを「安静時狭心症」
または「異型狭心症」と呼び、冠動脈の一過性の痙攣が原因だと言われ
ています。

狭心症の治療法!

狭心症になると、発作の時に使う舌下錠(「ニトログリセリン」や「ニト
ロール」)やスプレーを処方します。
狭心症の症状が出たとき、錠剤やスプレーを舌の下に含みますと、口の中
の粘膜から吸収され、痛みは数分でなくなります。
飲み込まずに口の中で溶かすことが大切であります。
外出時にも携帯する必要があるので、主治医に相談し、使いやすいものを
処方してもらうとよいでしょう。

狭心痛が生じ、舌下錠を5分ごとに3回使用しても消えない場合は、
重症発作です。
心筋梗塞の可能性があります。

狭心症の治療には、薬物療法が基本となります。
しかし、薬を使っても日常の生活で狭心痛が簡単に起こる場合には、
冠動脈造影検査を受け、手術(冠動脈バイパス術)や“風船療法”が必要
かと思います。

◆薬物療法
狭心症の薬には「血管拡張薬」と「ベータ遮断薬」があります。
血管拡張薬は、冠動脈を広げて血流をよくする働きと、全身の血管も
同時に広げて心臓の負担を軽くする働きがあり、これには硝酸薬と
カルシウム拮抗薬があります。

ベータ遮断薬は、興奮する神経である交感神経の活動を抑え、血圧を
低くし、脈拍数も少なくして、心臓の負担を軽減する薬です。
どちらも血圧を下げますから、高血圧の治療薬としてもよく使われて
います。
私も一度、狭心症になり薬を服用して、さらに下記のような手術もいた
しました。

◆冠動脈形成術(PTCA)
動脈硬化で狭窄した冠動脈を広げる手術で、“風船療法”です。
先端に風船(バルーン)のついたカテーテルを使って、冠動脈の狭窄部
でこの風船をふくらませ、動脈を広げるのです。
風船で十分に広がらない場合は、特殊な合金による金属を網の目状にした
筒(ステント)を血管の内部に入れ、内側から補強する方法があります。

スレンレス治療

◆冠動脈バイパス術
冠動脈の狭窄部が“風船治療”を行うのに難しい場所にあったり、この治療法
では危険を伴う時、また複数の個所が狭くなっている時は、冠動脈バイパス
術が必要になります。
バイパスには足の静脈か、胸、腕、胃の動脈を使います。

◆動脈硬化切除術(アテレクトミー)
低速で回転する刃(カッター)をゆっくりと進め、動脈硬化部分を削って
いきます。

カッター治療

◆動脈硬化切除術(ロタブレーター)
狭窄部がひどい場合には、先端にダイヤモンドの破片をちりばめた刃を
高速回転させて、動脈硬化を粉砕してしまう方法です。

心筋梗塞症の治療法!

突然、胸が痛みだしたときは、できるだけ早く治療を開始しないと危険な
状態になります。
発症直後は不整脈が生じやすいので、発作を我慢しないで、すぐに119番に
電話し、できるだけ早く救急車を呼んでください。

初期の治療には次のようなさまざまな装置が必要となります。
心電図の観察装置、危険な不整脈を電気的に治す装置、脈拍が遅くなった
時に体外から刺激を与える装置、呼吸困難な時には人工呼吸器なども利用
します。

さらに重症になったときは、生命の危機を脱するため、血圧や心拍の監視
装置、心臓のポンプ作用を補助する装置、冠動脈造影室などを利用します。

急性心筋梗塞症に対し最も重要な治療は、閉塞した冠動脈を再び開通させる
「再灌流療法」です。
この方法で心筋梗塞の大きさを早く縮小させることができれば、長期的に
見た予後もいいわけで、一刻も早く再開通させることが治療のかぎとなる
わけです。

※再灌流法とは、冠動脈にできた血栓を溶かす「血栓溶解療法」か、
または“風船療法”である冠動脈形成術(PTCA)によって、閉塞した血管を
開通させます。
これらを再灌流法といいます。

その後の治療法!

手術が終わり、急性期から、2~3週間で退院できますが、心電図や血圧
を測定しながら、徐々に行動範囲を広げていった方がよいです。

まとめ

私は、なぜこんなに詳しいかといいますと、数年前に自身が狭心症になり
大変な目にあいました。
そのときは、急に突然胸が非常に痛みだし、数分で終わりますが、
この傾向が数日続いたこれはまずいと思い、病院に行きましたら狭心症で
あり、血流の流れが悪いので検査しましょうということになり、検査を
しました。
そのときは、まずは、薬物療法を行いました。
しかし、なかなか血流の流れが良くならなく、数週間に1回位胸が痛みま
したので、先生から手術しましょうということになり、風船療法のステン
レスをいれることにいたしました。

その後、順調に良くなり、いまでは健康であります。
必要なのは、胸が痛くなったときはすぐに病院に行って検査をすることを
オススメいたします。
狭心症や心筋梗塞は、即治療が肝心であり、病院にいくことで命も助かり
ます。
胸が痛くなるということは、どこかに体の異常を訴えているのです。
ですので、一度、いろいろな検査をして健康維持を図ることをオススメ
します。
私も手術しましたが、もっと早くに病院に行っていれば手術する必要が
なかったと先生に言われたことを思い出しました。