血管をもっと知ろう!

血管
今回は、血管をもっと理解してもらおうと基本にかえって
血管の事柄についてご案内したいと思います。

心臓から送り出される血液が最初に通る血管が、大動脈です。
大動脈は直径約25ミリメートル、その太さは、ビニール
ホースとほぼ同じくらいです。
この大動脈を幹として、血管は枝分かれしています。
そして、手や足の先の毛細血管ともなると、直径は約0.006
メートル、これはもはや、肉眼では確認できないほどの細さで
あります。
その血管を流れる血液に含まれているのは、栄養や酸素だけでは
ありません。
ホルモンや白血球といった液性物質や細胞成分も含まれています。
赤血球は、酸素を運ぶ役割を担っています。
白血球は、外部から体内に侵入した殺菌やウィルスなどの異物、
さらに、役目を終えた細胞を排除します。
そしてホルモンの役割は、体の機能をいつも適正な状態に保つこと
です。
血液は、全身に張りめぐらせた血管を通りながら、これらの物質を
体中に運んでいます。
そうやって、血管がつながっている先の臓器や組織を生かしている
わけです。

 血管は“生きている官”

臓器や組織を生かすことは、血管の役割のひとつにすぎません。
さらに、各臓器や組織が、お互いに「協働」しなければ、私たち
は生きていけないのです。
たとえば、心臓が打ったら血管がこうなる、食べ物が入ってきたら
胃はこうなる、あるいは、立ち上がったときには心臓はこう動いて、
手足どうなるといったように、体のあちこちは複雑に連動して、
仂いています。
この「協働」をうまく調節しているのが、血液によって運ばれている
ホルモンです。
もうひとつ、「協働」を調節し、体の機能を適正に保つために作用して
いる代表的なものが、神経です。
さて、ただ、単に、液体を漏らさずに通すだけなら。ビニールホース
でも用は足ります。
では、あらゆる臓器や組織を集めて、それらをビニールホースでつなぎ、
そこに血液を流せば、ひとつの生命体ができあがるのです。
そんなことをしても、決して生きた個体にはなりません。
単なる管をどれほどつないだとしても、それは血管ではないからです。
血管は単なる管ではなく、臓器や組織に「適切に」血液が流れるように、
いつも調整されている「生きた管」なのです。
体のあちこちの「協働」を成立させているのは、ホルモンや神経だと
述べてきました。
そして、血管は、神経やホルモンの刺激を受けて、拡張したり収縮したり
する「生きている管」なのです。

 重要な血管収縮のシステム

シャイ・ドレーガー症候群という、血管が収縮できなくなる病気
があります。
血管ではなく神経の病気で、血管が収縮しないのではなく、血管
を収縮させる刺激がない、収縮させる信号が送れない障害であり、
自律神経失調症のひとつです。
シャイ・ドレーカー症候群の人は、寝ている限り、通常は何とも
ないのですが、立ち上がることができません。
血管が収縮できないので、上半身に血液が送られずにフラフラに
なってしまうのです。
また、食事をすると、消化器官に血液が集まります。
健常な人は神経がうまく働いて、食事をしたときでも全身に適切
な血液を分配しています。
ところが、ジャイ・ドレーガー症候群が進むと、胃にばかり血液が
集まってしまい、ほかの部分に血液が流れなくなります。

その結果、胃以外の食事をするための動作ができなくなってしまう
のです。
健常な人が、寝ている状態から立ち上がったときにフラフラにならない
のは、神経やホルモンの刺激を受けて、下半身の血管がグーッと収縮
するから。
収縮することで、血液が下半身にたまらないように押し上げられ、頭の
ほうに血液がちゃんと流れるようなシステムになっているのです。
このシステムがなければ、私たちは立ち上がることはおろか、さまざまな
動作できなくなってしまいます。

ご理解できましたでしょうか。