前回は、ニンニクを食べることで疲労回復に効果があることを
中心にご案内いたしました。
また、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)にも効果が
あることについてもご説明致しました。
今回は、その中の生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)
を中心にご説明していきたいと思います。
コレステロールの上昇を抑え、脂質異常症の予防!
ニンニクには、脂質異常症を予防する効果が期待できると
言われています。
皆さんは、脂質異常症よりも高脂血症という名前の方が聞き覚え
があると言う方もいると思いますが、ニンニクを食べることで
コレステロールの上昇が抑えられるため、脂質異常症の
予防に効果があるのです。
脂質異常症とは、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が多すぎ
たり(高脂血症)、善玉コレステロールが少なすぎる生活習慣病です。
「自覚症状がないか ら」「薬をずっと飲み続けるのが嫌だから」と放置
する方がいますが、放置すると血中の脂質は増え続け、ドロドロ血液の
状態になります。
ひいては 動脈硬化を引き起こしてしまうのです。
また、脂質異常症は自覚症状が無い生活習慣病なので、そのまま放置し
がちなのですが、動脈硬化が酷くなると心筋梗塞・脳梗塞など、さらに
重篤な症状を引き起こすこともあります。
脂質異常症には、以下のような3タイプがあります。
①中性脂肪(トリグリセライド)の値が150mg/dl以上と高いタイプ
悪玉コレステロールが増えやすく急性膵炎を起こしやすい
②善玉コレステロール(HDLコレステロール)の値が40mg/dl未満と
低いタイプ
悪玉コレステロールが増えやすい
③悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の値が140mg/dl以上と
高いタイプ
悪玉コレステロールが多すぎる
上記から判断すると、脂質異常症には中性脂肪の量やコレステロールの値が
関わっていることがわかります。
悪玉コレステロールは、動脈の壁に付着する性質を持っているので、動脈が
厚くなったり硬くなったりする、いわゆる動脈硬化を引き起こすわけです。
アリシンには、肝臓に貯蔵されているコレステロールを胆汁へと排出させる
働きがあるため、血中のコレステロール値が上昇するのを抑える働きがあり
ます。
さらに、ニンニクに含まれるアホエンやビニルジチイン、それからS-アリル
システインという成分にもコレステロールを合成する際に必要な補酵素の働き
を邪魔する効果があるため、コレステロールが作られるのを抑制するのに
役立ちます。
そのため、ニンニクを食べることが脂質異常症の予防に繋がると言えるのです。
アリシンの抗血栓作用で高血圧にも効果アリ!
日本高血圧学会の定めによると、高血圧とは以下の状態を言います。
・収縮期血圧(上の血圧とも言います)…140mmHg以上
・拡張期血圧(下の血圧とも言います)…90mmHg以上
高血圧も、脂質異常症と同じく自覚症状がないため、放置されやすい病気
です。
頭痛や肩凝り、めまいなどがすることもあり、他の病気でもこれらの症状は
起こるので、高血圧によるものとは見分けがつきにくくなっています。
高血圧が進むと動脈硬化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞の原因にまります。
高血圧と脂質異常症が組み合わさると、さらに動脈硬化が起こりやすく
なります。
ニンニクに含まれるアリシンには抗血栓作用があり、血液をサラサラの
状態にする効果があります。
抗血栓作用は、血小板凝縮抑制作用とも呼ばれるのですが、血栓は血小板
が集まって固まることでできてしまいます。
アリシンは硫黄化合物なのですが、この硫黄化合物には血小板が集まるのを
防ぐ作用があります。
その働きによって血管が詰まることを防ぎ、血液がサラサラになる効果が
得られるというわけです。
血液がサラサラになれば、力を掛けなくても血管の中を流れますから、
血圧が下がるということなんです。
それによって動脈硬化が進むのを防ぐことが可能であり、心筋梗塞や脳梗塞
の危険性を防ぐこともできます。
アリシンは血圧低下に役立つ!
アリシンが抗酸化作用を持っていることも高血圧の改善に役立ちます。
抗酸化作用とは活性酸素を抑制する働きがあります。
過酸化脂質は血管にこびりつく性質を持っているので、血管が狭くなって
しまいます。
そうなると、血流が滞るので血圧が上がります。
また、過酸化脂質が血管にこびりつくことで血管が傷つきやすくもなるので、
血栓もできやすい状態となります。
ますます血が流れにくくなります。
そこで、抗酸化作用によって活性酸素が抑制されると、過酸化脂質ができにくく
なり血圧が上昇するのを防いでくれるのです。
ニンニクにはビタミンEも多く含まれますが、ビタミンEはビタミンCと共に抗酸化
ビタミンとしてもよく知られていて、強い抗酸化作用を持っています。
ニンニクにはアリシンとビタミンEが両方含まれますので、効果的に血圧を低下させる
ことができるのです。
アリシンが血糖値の上昇を抑え糖尿病の改善も!
糖尿病とは血液中に含まれるブドウ糖の量(血糖)の濃度が高くなる病気
のことであると説明されています。
その原因は、食事から取り入れた糖が身体や頭のエネルギー源として利用
されており、血液中のブドウ糖の濃度は一定に保たれています。
これは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖
を細胞の中に取り入れる役割をしているからです。
このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、糖が血液中に
停滞し、血液中のブドウ糖濃度が高くなり高血糖状態になるのです。
つまり、糖尿病の原因はインスリンの量の不足や働きの悪化になるのです。
血液中にあるブドウ糖の量が多いのは、本来体の細胞にエネルギーとして必要
とされるブドウ糖が十分補給できていないということであります。
ニンニクに含まれるアリシンは、ビタミンB1と協力することでインスリンの
分泌を促進する効果を持ちます。
糖尿病の原因はインスリンの分泌量の減少や働きの悪さです。
そのため、ニンニクを食べることが糖尿病予防に繋がると言えます。
まとめ
高コレステロールの食事を摂取すると、血中コレステロール・中性脂肪・
収縮期血圧が上昇してしまいます。
にんにく粉末を摂取する事で、にんにくによる生活習慣病の予防効果が
期待されている。
ニンニクに含まれるアリシンなどの成分によって、脂質異常症や高血圧、
そして糖尿病の改善効果まで期待できるのです。
生活習慣病にかかると、重篤な症状を引き起こす可能性もありますから、
ニンニクを食べて積極的に予防していきましょう!