今回は、食用油が酸化したものを食べても
健康には大丈夫かについてご案内致します。
食用油が酸化しても動脈硬化の原因になるのか?
酸化油のことを「過酸化脂質」といいます。
酸化油は、健康によくないといわれていますが、
食用油に関しては、神経質になる必要はありま
せん。
熱や光が酸化を進める要因としては、開封いて
窓辺に50日置いた食用油でさえも、酸化を示す
過酸化物価は基準値を超えることはないのです。
また、熱を加えて揚げ物に使用した油はたくかに
酸化されますが、50回くらい繰り返し使っても
酸化がどんどん進むわけではないのです。
やはり、基準値以下、揚げ油の場合、減った分
だけ新しい油を足していけば(差し油)、油を
捨てる必要はまったくないのです。
味に関しても、あるテレビ番組で実験を行って
いました。
実験では、カツを50個揚げた油で揚げたメンチ
カツと新品の油で天ぷらを揚げたものを比較す
ると、新品の油で揚げたものよりもカツを50個
揚げた油であげたメンチカツの方がとてもおいしい
という結果が出ました。
口に入っても血液までは届かないのか?
それでも酸化してしまった油は本当に大丈夫
なのか?
大丈夫なのです。
まず、過酸化脂質は120℃以上で壊れてしま
います。
炒め物や揚げ物に使う分には問題ありません。
それでも万が一、酸化した油を食べてしまっ
たらと思う人がいます。
それでも大丈夫です。
だ液や胃の中で分解され、腸にまで達すること
はほとんどありません。
胸やけや下痢を起こすことはあるかもしれませんが、
血液中に入ることは、まずあり得ないのです。
コップで飲むなど異常なほど大量にとれば、消火
器官を傷めてしまうことはあります。
動脈硬化の原因になるのは?
ある人の調査で昭和30年代に、日なたに半年以上放
置した即席ラーメンを食べた人が下痢を起こしたこ
とがあり、調べてみると酸化した油が原因だとわか
りました。
そのような「事件」が2例ほど立て続けに起きたため、
酸化した油=過酸化脂質が健康によくないというイメ
ージが定着してしまったようです。
その後の研究の多くは、「酸化した油を大量に食べさ
せる」、「培養した細胞に酸化した油を直接かけて
損傷具合を調べる」などでした。
その結果から過酸化脂質は「毒」だということが大学
の栄養学でも教えられたこともありましたが、実際に
はいまお伝えしたとおり、大量に食べることはあり得ず、
そのまま吸収されることもないのです。
さらに、もし血液中に入ったとしても血液自体が抗酸化
物質ですし、肝臓の働きもあるのですみやかに無毒化
されてしまいます。
それでは過酸化脂質が体に悪いといわれるのはウソなの
でしょうか?
いいえ、問題になるのは、もともと体内にあったコレス
テロールが、活性酸素などによって酸化された場合です。
このようなケースでは、過酸化脂質は体内で次々と酸性
変性を引き起こし、動脈硬化の原因になります。
このことが混同されたので、誤解の原因になったようです。
まとめ
油は適度な油を体に入れる必要があります。
生活習慣病を予防するためには、「酸化に強い油」を積
極的に取り入れる方法で悪い油を除去することを考えま
しょう。
酸化に強い油とは、抗酸化力が強いビタミンEが豊富に
含まれている油です。
酸化に強い油としては、大豆油やコーン油、綿実油、
菜種油等がビタミンEの含有量が多いです。
逆に日常的に利用されているサンフラワー油やパーム油
には、あまりビタミンEが含まれていませんので、酸化し
やすい油ということになります。
ちなみにごま油の場合、100g中にビタミンEは44.68㎎し
か含まれておらず、大豆油の86.43㎎と比較するとビタ
ミンE量が少ないのですが、ごま油には特有の抗酸化物質
が含まれているので、酸化に強い油なのでとてもオススメ
であります。