動脈硬化を防ぐ食事予防法!

今回は、動脈硬化を防ぐための食事予防法についてご案内させて
いただきます。

役割について 

◆LDL(悪玉)コレステロールの役割
血管の老化を引き起こす最大の原因は、酸化したLDLコレステロールです。

LDLコレステロールとは、一般的には「悪玉」、HDLコレステロールを「善玉」
と呼びます。

 LDLコレステロールはコレステロールの運搬役で、血液から全身にめぐって
運ばれます。
しかし、血液中のコレステロールが大量に増えると、使われなかった分は
血液中に残ってしまい、それが血管にしみこみ酸化すると動脈硬化の引き
金になってしまいます。

◆HDL(善玉)コレステロールの役割
HDLコレステロールはコレステロールの回収役で、血液中に残ったコレステ
ロールを回収して、肝臓に運ぶ役割があります。
回収されたコレステロールはホルモン、胆汁酸の材料になったり、不要な分は
排泄されます。
このような役割の違いから、増えすぎないほうがいいLDLコレステロールが
「悪玉」(酸化してしまうと危険)、血液中に残ってしまったコレステロールを
回収してくれるHDLコレステロールが「善玉」と呼ばれるのです。
 
 
 
 
◆コレステロールの基準値
総コレステロール LDL(悪玉) HDL(善玉)
基準値 150~300mg/dl ~139mg/dl 40~99mg/dl
保健指導値 – 120mg/dl以上 39mg/dl以下
受診勧奨値 – 140mg/dl以上 34mg/dl以下

LDL(悪玉)コレステロールが140mg/dl以上の場合は、
「高LDLコレステロール血症」、
HDL(善玉)コレステロールが40mg/dl未満の場合は、
「低HDLコレステロール血症」と診断されます。
HDL(善玉)コレステロール値が80mg/dl以上あると
動脈硬化が引き起こす病気になる人が少ないと言われて
います。

逆にLDL(悪玉)コレステロールが少なすぎる場合は、栄養不足、
「甲状腺」、「機能亢進症」、「肝硬変」、「肝炎」など、肝臓の
病気の疑いもあるそうです。

 
 
また、LDLコレステロールの値が高いと、狭心症や心筋こうそくなどの
虚血性心疾患や脳こうそくなどの脳血管障害、大動脈りゅうや末しょう
動脈硬化症などの発生率が増加することが明らかになっています。

 
 
 
さらに、HDLがコレステロールを末しょう組織から肝臓に運搬するのに対して、
LDLは肝臓から末しょう組織へコレステロールを運搬するという逆の働きをします。
LDLが大量にあると、コレステロールが沈着した血管壁に更にせっせとコレステ
ロールを運搬し動脈硬化を促進する方向に働くことになります。

だから、LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれるのです。
LDLコレステロールの正常域は170mg/dl以下です。
コレステロールの値を見る時は、総コレステロールの値(正常域は220mg/dl以下)
のみならず、悪玉コレステロールLDLが正常域以下かどうか、善玉コレステロール
HDLが正常域以上かどうかを合わせてみる必要があります。

コレステロールを増やし過ぎないようにするには、酸化を防ぐ取り組みをオススメ
いたします。

 
 
◆サビを防ぐ、有名な成分

体のサビを防ぐ成分として有名なのは「ビタミンE」です!
体のサビの原因は、活性酸素が体を酸化させることです。
ビタミンEは、活性酸素の毒性を打ち消す働きをします。
活性酸素がLDLなどと結びつく前に、ビタミンEが身代わりになって酸化する
ことで、体そのものがサビ付くことを防いでくれます!
ですから、LDLの酸化を防ぐだけでなく、細胞の酸化=老化を防いでくれる優れ
ものです!
 
 レモン
 
ビタミンCも有名です!
ビタミンCは、それ自体が酸化を防ぐ作用を持ちます。
切ったリンゴって、酸化して変色しますよね。
しかしレモン汁をつけると、酸化を防ぐので変色しません。
加えて、身代わりとなって活性酸素と結びついたビタミンEをリサイクルして
くれる働きもあります。

 
 
最近注目を集めている成分が「セレン」。
「セレン」とは、ビタミンEなどといっしょに働き、より大きな効果を生みだします。
ビタミンEもセレンも抗酸化作用があり、酸化による老化や組織の硬化を予防したり、
もしくはそれを遅らせたりします。セレンはビタミンEとの相乗効果により、ある程度
ビタミンEの代わりもでき、ビタミンEの場合と同様、セレンが不足すると過酸化脂質
などができるために動脈硬化や器官の老化が起こります。
 
 
 
セレンには有害金属と結合してその毒性を消してしまう働きもあり、体内に入って
しまった有害金属、水銀、カドミウムの働きを封ずることが期待できます。

抗酸化作用はビタミンEの500倍!とまで言われています。
体の酸化を防ぐには、ビタミンEやビタミンCなどの抗酸化物質だけでは不足です。
活性酸素を取り除く、抗酸化「酵素」が不可欠です。
セレン自体には酸化を防ぐ力はありませんが、抗酸化物質や抗酸化酵素の働きを
高めてくれます。

まさに「縁の下の力持ち」といったところですね!
摂りすぎ注意!過剰摂取は危ない!

 
 
ビタミンEを多くふくむ食品は、かぼちゃ・うなぎ・アーモンドなど。
ビタミンCは果物や野菜に幅広く含まれています。
セレンはイワシやアジなどの青魚や、ニンニクに含まれます。

 
 
他にも抗酸化作用を持つ成分は多くありますが、基本的に、青魚、海藻、
緑黄色野菜、大豆製品に共通して含まれています。

青魚
  
確かに体に良い食品は摂りたいところですが、過剰摂取をしたり、栄養バラ
ンスを崩すほど、同じものばっかり食べるのは絶対にNG!!
何事も限度があります。
例えば上で紹介した「セレン」は、過剰に摂りすぎると、肌荒れや脱毛、
流産、吐き気などの過剰症が出ることになります。

なぜ食事で摂ることが必要なのか、というと、
我々人間が健康でいるためには、非常に幅広く、多種多様な栄養が必要です。
健康に生きるために必要な栄養をとるためにはバランスの良い食事が不可欠
であります。
食事をしっかりとって健康維持しましょう。